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株式会社東急ハンズ
総務部人事グループ 川口純奈様

2019.05.27 OJTトレーナー研修OJT管理職研修新入社員フォロー研修新入社員導入研修

事例紹介東急ハンズ様Ph01

株式会社東急ハンズ様で実施した研修の模様についてお話しをお伺いしました。2018年4月に入社された10名の新入社員の方々とそのOJTトレーナー、OJT管理職の方に行った研修についてお伺いしました。株式会社東急ハンズ 人事部採用研修グループの川口純奈様と沖みちる講師、リ・カレント株式会社の担当プロデューサーであるリ・カレント川口との3名対談。川口様の育成に対する想いや、沖講師の絶妙な掛け合い、名言などが次々と飛び出し、終始笑いの絶えないインタビューとなりました。

こちらから詳しい資料をダウンロードいただけます。

導入プログラム:

全体コンセプト:Be Professional ~顧客に役立つ自己成長のために考えて行動できるプロになる~

プロに求められること
・仕事をするとは、お店に立つとはどういうことかを理解している
・常に自分から情報と学びを得て成長する
・自分のできなかったことや失敗をどうリカバリーするかを考えられる
・相手視点で物事を考えている


【2018年 東急ハンズ様新人研修スケジュール】

4月 Core & Shift(マインド)研修
5月 コミュニケーションスタンス研修
7月 真・問題解決スタンス研修
10月 バリュー・ファクター研修

上記コンセプトと4つのメッセージを軸に、新人の皆様には4月冒頭の2日間と5,7,10月のフォロー研修を展開。OJTトレーナーとOJT管理職の皆様よくから1日の研修を実施いたしました。

 

【本文・敬称略】
川口 =東急ハンズ 川口純奈様
沖  =沖みちる講師
リ・カレント川口 =リ・カレント 川口唯貴

沖講師のセミナーで受けた“衝撃”がすべての始まりに

──川口さんは、2016年春から人事部採用研修グループで教育研修を担当されていますが、もともと人を育てたり、組織を強くしたりする仕事に意欲や関心があったのでしょうか。

川口:いいえ、全然(笑)。もともと契約社員として東急ハンズに入社し、ららぽーと豊洲店の管理グループで4年ほど、庶務・会計の仕事に就いていました。その後、社内登用制度に合格して正社員になり、キッチン用品の売場に配属されたのですが、仕事をひと通り覚えて「よし、これから頑張ってキッチン用品を売っていこう!」と意気込んでいた矢先に、半年で本社の人事へ異動になったんですよ。

しかも、思いもよらぬ研修担当ということで、正直、戸惑いました。それまではフロアか店舗が自分の関わる世界のすべてだったのに比べて、これからは東急ハンズ全体を見て、人の教育に関わっていかなければならない──いきなり立場が変わりましたからね。

ただ、不安以上に「これはすごく面白いチャレンジなんじゃないか」という期待感の方が大きかったかもしれません。というのも、私自身は契約社員時代、教育をとくに受けなかったので、当社の研修はこういうものだという先入観や前例踏襲の意識がなかったんですね。逆に、もっと面白いことができるかもしれないなと。

──新しい役割をポジティブに受け止められたわけですね。リ・カレントとの出会いはどのようにして生まれたのでしょう?

川口:研修担当の先輩がリ・カレントさんのセミナーを勧めてくれたんです。「とにかくすごい人がいるから行っておいで」と。それが、沖講師でした。沖講師目当てで参加したといっても過言ではありません(笑)。

沖:新入社員研修に関するセミナーでしたよね。「世代間理解」に重点を置いて、新人・中堅・ベテランでは価値観や言動にどういう違いがあるのかを人事担当者のみなさんにお伝えして、理解を深めていただく内容でした。

川口:もう、目が覚めました。「そうなんだ!」と。2016年卒業の新入社員から研修に携わっていましたが、関わり方が難しいというか……世代間ギャップもあって、彼らが何を考えているのか、正直よくわからなかったんですね。17年卒の新人を迎えるにあたって、どういうスタンスで臨めばいいのかという課題感をもって、沖講師のセミナーを体験し、目からウロコが落ちたのが現在にまでつながる衝撃でした。

──川口さんの目には、貴社のいまどきの新入社員はどんなふうに見えているのでしょうか。

川口:すごくまじめで素直。だけど、ちょっと素直すぎる気もします。かと思うと、納得するまで動かないとか、答えを先に欲しがるとか。世間的にもいろいろ言われている傾向ですが、やはりうちの新人にも当てはまりますね。私自身は「背中を見て学べ」と育てられてきた世代なので、いまの新人に「答えを先にください」「マニュアルがないと動けません」といわれることにかなり違和感があって……。「それは自分で掴み取りにいくものじゃないの!?」とモヤモヤしてしまうんですよ。私自身は、新卒の彼らとは10年ぐらい離れているんですけれど。

沖:10年違うと、大きく分けても三世代ぐらいに分かれますよね。10年前だと「採用バブル」というべき売り手市場でしたから、自己主張が強くて、ちょっと生意気な新人が多かった。言いかえると自立している、自分で考えて動ける世代ですね。その後、学生よりも採用する企業の方が強くなった時期があり、控えめでモノを言わない、周りの空気を読むことを優先する世代が来ていました。ここ、2~3年はまた学生が強くなり、一番目と二番目がミックスしたような若者が目立ちますね。表向きは控えめで素直だけれど、コアな部分はわりと我が強いところがある。先程おっしゃった、「納得しないと動かない」というのはまさにそうです。何でもかんでも従順というわけではありません。そのときどきの社会情勢が背景となり、3年おきぐらいに変遷を繰り返しています。

知識よりスキルより自己成長へのマインドセットを育てる

──そもそも東急ハンズの新入社員研修に求められるものとは何でしょうか。

川口:2018年の研修を沖講師とリ・カレントさんにお願いするまで、当社では10年ぐらいずっと同じ研修をやっていました。やはり小売業なので、言葉遣いとか、笑顔を作るとか、当社流の接客スキルが研修の中心で、それなりに充実してはいたと思います。でも、それを教えた新人が、必ずしも東急ハンズでずっと働き続けるとは限りません。もちろん、そうであればいいのですが、いまの世の中では考えにくいですし、私自身は彼らに会社に頼らず、自分で自分のキャリアを切り拓いていけるようになって欲しい。そのためにも、自社や業界でしか通じないスキルより、それ以前のベーシックなマインドの部分をもっと伝えていきたいんです。「ハンズだけで一生食べていけるわけじゃないんだよ」と。直接本人たちには言いませんが、そういうメッセージを反映させた研修をしかけたいと考えていました。社内的にはけっこう反対も受けましたが……。

──どんな反対があったのですか。

川口:そもそも10年続けてきた研修があるのに、なぜ変える必要があるのかと。変えること自体に違和感を持つ人は、人事のなかでも少なくありませんでした。現場からも「マインドばかりやっていないで、スキルもやってほしい」とか、「現場に出て接客ができて、レジが打ててお見送りができるところまで、その日のうちに育ててほしい」といったリクエストがくるんです。私としては「いや、それは現場で教えることでしょう」と思っても、売場は人手も時間も足りない。難しいから、研修のほうでやってほしいと。限られた研修日程のなかで、マインドとスキルのバランスをどう取るかは本当に悩ましいですね。沖:マインドが先かスキルが先かといえば、新入社員については業種・業態に限らず、やはりマインドセットから入るべきでしょう。スキルを教えるといっても、最近は求められるものが多様化する一方、スキルが陳腐化するスピードもすさまじいので、すべてを教えきることなんて、到底できません。結局、新入社員自身がどこまで自分で学べるか、つかみ取りに行けるかが肝心で、そこに至るには、社会人としてのマインドや自己成長に対する責任感のようなものがベースとして必要になってくる。逆に言うと、マインドセットがある程度できていれば、知識やスキルは現場で自らつかみに行ったり、教わりに行ったりすることで、後からいくらでも補えるわけです。

──スキルを先に教えて、後から現場でマインドを育てられるかというと……。

沖:現実的には難しいでしょうね。SNSに上げてはいけない情報を上げてしまうとか、外への振る舞いが社会人として至らないとか、そういう失敗も彼らが組織の一員であるというマインドセットの弱さから来ているところが大きいと思います。最初の段階で、社会人としての基礎教育やマインド教育をしていかないと、重大なトラブルにも繋がりかねません。

──リ・カレントでもこうしたニーズや課題感を踏まえて、単発ではなく、年間4回(下記表)にわたる新人研修を企画したわけですね。題して「Be Professional──顧客に役立つ自己成長のために考えて行動できるプロになる」。この研修コンセプトにはどんな意図があったのでしょうか?

【2018年 東急ハンズ様新人研修スケジュール】
4月 Core & Shift(マインド)研修
5月 コミュニケーションスタンス研修
7月 真・問題解決スタンス研修
10月 バリュー・ファクター研修

リ・カレント川口:これまでのお話からもわかるように、川口さんと沖講師とのシンパシーが最初からすごくあったので、それを最大化してプログラムに落とし込めばうまくいくに違いない、と確信していました。川口さんが大切にしていらっしゃる価値観やビジョンと、沖講師が日頃発信されているメッセージを、“ハンズ様流”でつなげていくときに何ができるかという発想から出てきたのが、「Be Professional」というコンセプトでした。そこで、Professionalとは何かということを沖講師にご相談して、「ブロに求められる4つのポイント」も明確にしました。

【プロに求められる4つのポイント】
・仕事をするとは、お店に立つとはどういうことかを理解している
・常に自分から情報と学びを得て成長する
・自分ができなかったことや失敗をどうリカバリーするかを考えられる
・相手視点で物事を考えている

沖:かつてはOJTを経験し、マニュアルに従って業務をこなしていけば、誰もがある程度の年次でプロになれたという状況がありました。それ自体はなくなっていませんし、OJTもマニュアルもまだ機能しています。ただ、一方で、現在では明らかにより早いタイミングでの成長が求められています。新人をのんびり育てている暇がない。かつては1年かけてじっくり育てていたところを、半年、3ヵ月で一人前になって動いてもらわなきゃいけない。業界を問わず、それが現場の実態です。どんどん自己成長しないと本人もしんどいし、周囲のメンバーも彼らをプロの仲間としてみなしにくい。東急ハンズ様のように、小売りの中でも品数・種類が圧倒的に多く、客層は多様で、催事も大きい。そんな複雑な現場ならなおさらでしょう。一人ひとりのパフォーマンスが向上しないと、売場が円滑に回っていきませんからね。自己成長へのマインドがより強く求められるゆえんです。

──川口さんは「Be Professional」の研修企画にどういう印象を持たれましたか。

川口:私が求めていたもの、ズバリ!でした。18年の新人は10人でしたが、この研修を1年通して受けたら、きっと10人とも人が変わるくらい、見違えるほど成長してくれるだろうと期待して、沖講師とリ・カレントの川口さんに全面的におまかせしたんです。

リ・カレント川口:10年間継続されていた研修から切り替えていただいた上に、単発ではなく、年間通しておまかせいただくということで、川口さんには社内でご苦労も多かったのではないでしょうか。

川口:説得には多少時間がかかりましたが、最初に沖講師を紹介してくれた先輩と一緒に説得しました(笑)。ハンズも変わっていかなければならないのに、いままで通りにやっていたのでは、いままで通りの人材しか育ちませんから。

一瞬で刺さったメッセージとOJT上司&OJTトレーナーの巻き込み

──沖講師に伺いますが、マインドを育てるためにとくに強調されたポイントを教えてください。

沖:学生という立場から社会人になったときのパラダイムシフトを表現するとき、私はいつも「世界が変わった」というキーワードを使うんですね。学生時代は当たり前だったことや良しとされたことが、社会に出た日から当たり前とは限らない、良しとされるとは限らない。その前提に立ったほうがいいということは、最初のCore & Shift(マインド)研修でまず伝えました。
たとえば、人への関わり方で、自分ではいいと思っても上司から見たときに違うとなることがあるじゃないですか。ともすると、そう言うつもりじゃなかったとか、自分はこういうつもりだったと感情論になりやすいけれど、「世界が変わった」のだから、そういうことも当たり前に起こりうるわけです。むしろ世界が変わったことを受け入れて、そういう前提に立って、じゃあ、どうすればいいかを考えてほしいというのが第一のポイントです。
もうひとつは、川口さんもおっしゃっていた「自分の人生は自分で作る」というポイント。ハンズの新入社員の方々だけでなく、すべての世代に言えることですよね。100年生きていく上で、会社や世の中がずっと守ってくれるわけじゃない。自分で自分の人生を守っていけますか、そのための力を醸成しましょうと。それもくり返し伝えましたね。

──そうしたメッセージに、新入社員の方々はどんな反応を示しましたか。

沖:ハンズさんの場合はすごく理解度が高くて、すぐに変わりましたね。

川口:それは後ろで研修を見ていてもよく分かりました。彼らが、沖講師に「世界は変わった」といわれて本当に理解できるのか少し心配していたのですが、言われた瞬間に場の空気がまったく違うものに変わって、鳥肌が立ったくらいです。その一瞬で、今年の研修はもう大成功だと確信しました。沖講師の言葉がぐっと刺さって、本人たちも「もう違うんだ」「いままでの環境じゃないんだ」と実感したのでしょう。そんなことを言ってくれる人はいままでいなかったと思うので、彼らにとっても衝撃だったはずです。沖講師は理解度が高いと仰ってくださいましたが、そう気づかせくださった、講師のメッセージがすばらしかったのだと思います。

沖:ありがとうございます。

川口:最初の「Core & Shift」もそうですが、10月の「バリュー・ファクター」もすごくやってよかったなと。自分の価値観を明確にするという作業を新人研修でやるとは思っていなかったのですが、そこを明確にすることで、自分の仕事へのスタンスや考え方の軸が決まってくるんですね。後ろで聞いていて、私自身もとても勉強になりました。彼らもおそらく「自分の価値観ってこうだな」とおぼろげに認識していた部分はあると思いますが、それを沖講師からワークによって提示されることで、自分でも気づかなかった点や現在の仕事につながっている感覚を掴んだことが目に見えて分かりましたし、10月に実施したタイミングもよかったと思いますね。

沖:「バリュー・ファクター」というのは、その人が物事を判断したり、選択したりする際の軸となる価値観を特定するためのワークなんですね。これをあえて研修の4回目、10月に持ってきた理由としては、新人の場合、すぐには自分の芯のところへ意識が向かっていきづらいということがあります。人がこう言っているからと、現場で価値観を歪められてしまうところがある。良くも悪くも周囲の影響を受けやすいんです。ただし、東急ハンズ様の場合はとくに成長が早いので、現場で半年も過ごせば、地に足をつけて冷静に考えられるタイミングであろうと入れていきました。

──今回の研修は、新人だけでなく、その新人のOJTトレーナー&管理職の方まで巻き込んで育成を行った点がとくに大きな特徴だと伺いました。

川口:新人個々にOJTトレーナーや管理職がつくという仕組みは従来からありましたし、店舗もそれはわかっているのですが、現場でどうなっているかというと、実際は新人と担当トレーナーが別々の仕事をしていたり、一緒にいても教えていなかったり……。形だけのOJTになっていた面がじつはあったんです。OJTトレーナーと管理職をつけるからには、共通言語を持って同じ方向を向いてやっていかないと意味がありません。沖講師から見たうちの新人たちの実態や傾向を、講師の目線でトレーナーと上司それぞれにぜひフィードバックしていただきたいと思って、お願いしました。

沖:管理職の方々には、いまどきの新人を知ること、その情報をトレーナーと共有すること、そしてトレーナーをフォローしてあげること、この3点の重要性を強調してお伝えしました。また、東急ハンズ様固有のご事情として、OJTトレーナーの方々の年代層にバラつきがありましたので、冒頭でも触れた「世代間理解」の大切さをご説明したのに加えて、もうひとつ「自分ですべて背負わないように」ということを強くお伝えしたつもりです。
現場がOJTを完璧に担うのは、時間的にも、知識やスキルの面でもとても足りません。先輩のプライドにこだわらず、教える側と教えられる側が「こういう教え方でいいか」と確認しながら進めるぐらいで、ちょうどいいのではないでしょうか。

──年代の違いということを、しっかりと共有しなければいけないということですね。

沖:それまでは、そういうことを考えたことがなかったのではないでしょうか。「何で新人はこのような傾向があるのかな」と思ったとしても、その背景に何があるかまで仕事しながら考える機会はなかなかないと思うんです。でも、そこをしっかりと考えていただくと、相手に対する理解も促されますので。

──OJTトレーナーや管理職の方なども変わられましたか?

川口:変わりましたね。OJTトレーナーは、いままで「関わり方がわからない」という声がありました。トレーナーは直接仕事のなかで関わりますけど、管理職は「関わりたくないな」と思えば関わらなくても済むポジションだったんです。
ただ、世代間ギャップなどを沖講師から伝えていただいたことで、トレーナーたちの感想として「管理職がすごく一緒に関わってくれるようになった」と。わからないことを「この教え方でよかった?」と聞いてもいいんだと、上司からの安心感にもつながったと思うんです。
自分たちがやってることは、すべて正しいことを伝えなくてはならないという思い込みが外れて、わからないことや新人の彼らの気持ちなどはきちんと聞いてあげればいいということが理解視されたので、2018年は「みんなで育てていこう」という風潮が上がったと思います。

──OJTトレーナーの方も、ともすると孤独になりがちですよね。それを上司の方がフォローしてあげる体制が作れたと。

川口:まだまだこれからの部分もありますけど、ベースはちょっとずつできてきたかなという感じはしますね。

受講生の成長──研修が終わるのが寂しいほどの“愛ある研修”でプロの顔つきに

──一年間通して新人研修を行ってみて、いかがでしたか。新人たちの変化についてお聞かせください。

川口:もともと新人ながら、自分の頭で考えて自分なりに答えを出せる社員たちだったのですが、その答えに対して、沖講師がまた絶妙のフィードバックというか、もう1ランク引き上げるようなアドバイスをしてくださるので、回を追うごとにどんどん伸びていくのが見えて非常に興味深かったですね。彼らの人生においても、沖講師との出会いはきっと貴重なものになったんじゃないかと。それほどのインパクトでしたから。ただ厳しいだけじゃなくて、そこに“愛”があるんですよ。

沖:ありがとうございます。やはり現場に入られてから、2回目、3回目の研修で新人の方にまたお目にかかると、もうすっかりお顔立ちが違っていましたね。現場での厳しい時間を経て、かなり自立されたなと。対話の内容などから感じましたし、また、自立しようとしているからこその悩みやつまずきも新たに出てきたりして。私から見るとそれはきちんとした成長の糧になっていくものですから、逆に頼もしく感じました。

──それは、具体的にはどういうことでしょうか。

沖:たとえば、上司との関わり方ってすごく難しいじゃないですか。そこで自分が思うようにいかないとき、「こういう環境だから」と諦めてしまう人もいれば、そのなかでどうすればいいかと悩んだり、ちゃんと相談したりする方向へ行く人もいて、その分かれ目はすごく大きい。とくに店舗という現場は、人間関係から逃れられませんからね。その意味では、現場でつまずき、うまくいかないなと思いながらも、研修という場に繰り返し立ち戻ることで、マインドセットを確実に育てていけたのではないでしょうか。

──新人の方にとって、この研修がキャリアの“原点”になったかもしれませんね。

川口:本当にそうだと思います。いままでの新人研修ではまずありえなかったことですが、「講師に会えなくなるのが寂しい」「もっといろんなことを教わりたかった」と、そんな感想が彼らから出てきたのが印象的でしたね。4月からずっと沖講師にお願いしてきて、彼らは自分たちの内面を、私たち人事よりも、むしろ沖講師にたくさん話しているんですよ。アドバイスをもらって、それを現場で活かして、また新たな問題が出てきたら研修に持ち返って……ということを繰り返してきたので、「終わるのが寂しい」というのは本音だったのでしょう。いままで一回も言われたことはありませんから。

リ・カレント川口:後ろで見ていても、研修講師と受講生という関係だけでなく、師なのか、メンターなのかわかりませんが、また違う位置づけの絆が育まれていたように感じました。少なくとも、単なる講師と受講生には見えなかったですね。
私が今回お手伝いさせていただいて感動したのは、川口さんがご多忙の合間を縫って、とてもマメに現場へ足を運ばれていることです。それはどういう思いからだったのでしょうか?

川口:純粋に、見たいんです(笑)。新卒の場合は、どんな感じて仕事をしているのかよりも、どんなふうに周りの人とコミュニケーションをとっているのかが気になって見に行っています。「人事が行くよ」というと畏まってしまうので、ふらっと行くんです。それこそ休日も行きますし、平日に仕事が終ってからでも。近くに用事があったりしたら、シフトをチェックして、その新人がいるときを狙って見に行きます。本人には「行くよ」とも「行ったよ」ともいいません。こっそり陰から見て「よしよし、頑張っているな」と。大阪へ出張に行ったりしたときなんかも、できるだけ行きますね。

沖:素晴らしい。何か問題を抱えていたりすると、お店に立っているときの表情や振る舞いなどにネガティブな感情が表れやすいのですが、そういうところをケアしに行かれているんでしょうね。新人の方は他のメンバーとうまく連携できていないと、ぽつんと孤立していたり、笑顔がうまく出なかったりすることがよくあります。ただ、集合研修で集まったりすると、みんな結構元気なので、そういう場では意外に気づきにくい。

川口:そうなんです。いい顔を見せちゃうんですよね。

沖:現場で一瞬見せる姿を切り取ると、社内で人事と新入社員として向き合うときにはけっして見せないような、意外な素顔やホンネも透けて見える。店舗まで人事の方が足を運ばれるというのは、本当に大切なことだと思いますね。

 

学びの風土を、大好きな東急ハンズという会社に根付かせたい

──1年間、新人研修にリ・カレントという外部ベンダーを導入してみて、手応えはいかがでしたか。

川口:何度も言いますが、10年間やってきたことを変えたわけですから、自分でも思い切った決断だったなと思いますし、よくできたなと思います。沖講師じゃなかったら、そして川口さん、リ・カレントさんでなかったら、お願いしていなかったでしょう。「とにかく変えます」だけではダメで、「こう変えられます」という確信を、お二人が私に持たせてくださったからこそ、社内でも意見できたんですね。 とにかく、お二人に絶大な信頼をおいているので、決めてよかったと大満足です。
かつては「研修をしても何も変わらないんじゃないか」という迷いが正直ありました。研修で学ぶことと、実際に売場で商品をお客様に販売することとはやっぱり違うよね、という感覚があったんです。でも、この「Be Professional」に関しては、「研修で人がここまで変わるのか」と驚きました。2018年卒の新人は内定者時代からずっと見てきたので、こんな短期間でずいぶん大人になったな、社会人としてプロの顔になってきたな、という印象がすごいんですよ。

沖:もちろん、マインドセットがある程度できたとしても、そうした変化が仕事の成果としてすぐに表れるわけではありません。3年後、5年後、新入社員だった方々が後輩を育成したり、フロアを切り盛りしたりする側に回ったときに、初めて結果が見えてくる。その意味では、川口さんのお仕事の正しさが評価されるのも少し先になるでしょう。人を育てる仕事って、そういうものなんですよ。それでも、私がお願いしたいのは、川口さんには川口さんご自身が信じられることだけをやり続けていただきたい。

川口:刺さりますねえ!

沖:新しいことをやるときには絶対に反対があるんですよ。反対のない会社って、逆に怪しいでしょう。誰も何にも考えていなかったりして(笑)。厳しくてもご自身の思いを貫かれることが、いまの新人の方には一番プラスになるんじゃないかと思います。ぜひ、これからも『川口ワールド』を突き進んでいってください(笑)。

──頼もしいお言葉を頂いたところで、最後に今後の抱負をお聞かせください。

川口:じつはここ最近、いろいろなことに対して少しブレていたんです。信じられること以外のことも危うくやってしまいそうだったのですが、ブレちゃいけないと、改めて思いました。新人研修のほかにも、ただそのまま続けている研修があるので、変えていくというよりは、そのなかに店舗の想いとか人事の想いを入れていって、誰もが納得できるものにしていきたいと思っています。「その研修、行く意味があるの?」ではなくて、「行っておいで」「学んでおいで」と送り出せるような、そういう学びの風土を、大好きな東急ハンズという会社に根付かせたい。それが私の“野望”ですね。

こちらから詳しい資料をダウンロードいただけます。

受講者の変化

現場でつまずき、うまくいかないなと思いながらも、研修という場に繰り返し立ち戻ることで、マインドセットを確実に育てていくことができた。

担当講師:沖みちる
東急ハンズ様ロゴ

株式会社東急ハンズ
総務部人事グループ 川口純奈様